食事を制限して健康を維持しているというと、不思議に聞こえるかも知れません。
しかし、昔から「腹八部」といわれる様に、満腹でない方が健康を維持しやすいのです。
世界には食べるものに困っている人がたくさんいる一方で、先進国に住む人たちは過食傾向になっています。
肥満は、西欧諸国で問題となっており、アメリカでは2009年、人口の33%が過体重で それを超える34%が肥満であると推定されました。
このように、世界中に食べるものを探し求めている人が数えきれないほどいる中、西欧諸国では、食べる量を減らす努力をしているのです。
容姿のため、健康のため、スリムになるため、また長生きするためなどが、肥満になりたくない理由となっています。
絶食をしているクモのほうが、ふつうに食べているクモよりも長生きしているとか、ある米国の大学の実験でも、食事制限をしたマウスは、食事制限をしなかったマウスの二倍長生きした、という結果が得られたといいます。
酵母から魚、犬に至るまで実験室内の多くの生き物が、カロリー制限のおかげで寿命を延ばしているのです。
食べる畳を減らすと健康にプラスの効果が表れることを明らかにした研究は多くなされていて、カロリー制限をしたサルは、心疾患や糖尿病など、加齢に伴う病気の発症率が下がる傾向にあり、ある医科大学で行めれた別の研究では、食事制限をしたサルは、アルツハイマー病が発症しにくいことがわかったといいます。
普段食べている量から最大25%食べる量を減らしたカロリー制限食を摂ると、コレステロール全般、悪玉コレステロール、トリグリセリド濃度、そして血圧が下がることが、複数の研究で明らかになりました。
ただ、単に、食べる量を減らすと栄養不足になるという事もありますから、一般的なカロリー制限食は、栄養の摂取量は減らさずに、カロリーだけ20〜30%削減するというものなので、摂取する食品を慎重に吟味しなければならないでしょう。
アメリカの発明家、トーマス・エジソンの言葉
私は食事を制限して健康を維持している。人間は脂っこい食べ物でお腹を満たし、時間を無駄にし、消化に負担をかけ、体を害している……。医者が、薬の代わりに食事療法を処方すれば、ふつうの人なら病気は治ってしまうはずだ。人間の半数はつねに「食べ物漬け」の状態にあると言える。食事制限、これが私の健康の秘訣である。