朝の眠りを振り払って歯磨きをしていると、歯磨きに「酵素入り」と書いてありました。
酵素の力で、歯に溜まったプラークと呼ばれる塊を溶かすらしいのです。
プラークは、歯の汚れや虫歯を起こす細菌のすみ家で、プラセンタ美人酵素などが役立っているのです。
他に身の回りを見ると、肌着を作る時にも酵素が使われます。
木綿や絹、一部の化学繊維の糸を織る際には、糸が切れないようにデンプン糊をつけますが、布に織ったあとでデンプンを分解するのにアミラーゼという酵素を作用させます。
アミラーゼが糊を除き、肌ざわりをよくするのです。
朝ご飯では、おいしい青汁や、食パンをトーストしてバターをつけて食べますが、このパンづくりでも酵素が活躍します。
まず、小麦粉に、酒をつくるときと同じような酵母を加え、小麦粉に含まれる精を分解する、つまりアルコール発酵を起こさせます。
この際、アルコールなどと一緒に生じる二酸化炭素がパンの小さな穴をつくって膨れるのです。
これを焼き上げたのがパンです。
このパン酵母のアルコール発酵作用もいくつかの酵素によって起こります。
大好きなトーストに夢中な私の頭には、パンが酒をつくるときと同じアルコール発酵によって作られていることなど、思いもつきません。
パンにぬるバターの製造においても酵素が必要です。
原料の牛乳からつくられたクリームに乳酸菌が働いて、独特の風味が生じます。
この乳酸菌の作用にも、多くの酵素が働いているのです。
ふっと、身の回りを見渡すと、酵素だらけといえるでしょう。